Web制作の費用の決め方――稼働時間から人日と費用を算出するツールを作成しました

Web制作やシステム開発の仕事をしていると、見積を出すときの価格設定に悩んだり、お客様から見積の根拠を聞かれることが多くあるかと思います。安請け合いしてしまって割に合わないと感じたり、お客様と費用感が合わずに失注になることも、よくある悩みかと思います。

そこで、今回はあまりにも語られ尽くされたネタではありますが、ちょうどお客様に聞かれたこともあり、私の見積もりの考え方について共有したいと思います。

基本的な価格の考え方

価格の考え方は三者三様ですが、大きく下記に分かれます。

  • 料金表を設定(関西、小規模、デザイン系に多い)
  • 人月/人日単価で設定(関東、大規模、システム系に多い)

Web制作やシステム開発は基本的に人件費になりますので、料金表の場合も人月/人日単価が考慮されていることが多いでしょう。

人月単価とは1人を1ヶ月、人日単価とは1人を1日稼働させた場合の人件費です。例えば企業で1人を1ヶ月拘束する場合、経費や人件費から逆算して1ヶ月80~160万の費用がかかるとすると、20日で割って1日4~8万が人日単価になります。制作会社のランクや地価により前後します。フリーランスや地方の場合はおよそ1/2〜1/3の相場感になります。

人月単価、人日単価は人によって異なります。美容院に行くと「スタイリストカット」「ディレクターカット」などのメニューがあるように、経験の少ないデザイナーやプログラマが担当するのか、経験の豊富なアートディレクターやシステムエンジニアが担当するのかで、当然ながら費用やかかる人件費が異なります。

作業費用を算出する

私が見積もりを作成する場合は、基本となる料金表をもとに、作業内容や作業時間を加味して費用を算出しています。複数のパートナーとチームを組むこともあり、デザインについては単価ベース、システム開発については人日ベースで提示することが多いです。

例えば、ページの修正は数時間以内で済むので基本となる単価ですが、ページの新規制作やプログラム開発ですと、作業時間分の費用が加算されます。また、高度な変更の場合、高いレベルのデザイナーやプログラマーが必要になるので、その分費用が加算されます。(数年前よりも技術や要求が高度化しているため、人件費は以前よりも高騰の傾向です)

一般的に1人日は8時間のため、人日をベースに価格設定すると8時間以下の場合の稼働の計算が難しいです。そこで計算ツールを開発しましたので、ぜひご利用ください。1人月もしくは1人日の箇所にご自身の人日/人月単価、稼働時間の箇所に対応するのにかかる時間を入力してみてください。フリーランスの方は、1ヶ月にどのくらいの収入が必要か、市場の価値と照らし合わせながら、人月単価を決めるとよいでしょう。

稼働時間から人日と費用を計算するツール

1人月
1人日
稼働時間
時間
 
人日)
金額:¥{{separate(total_cost)}} ({{man_day}}人日)

見積書を作成する

作業費用がまとまったら、プロデューサー/ディレクターの人件費をまとめて1枚の見積にします。私の場合は下記のようなフォーマットで作成しています。

  • 基本制作費
    • 要件定義・進行管理費
  • デザイン設計費
    • PC用トップページデザイン(1案)
    • PC用下層ページデザイン(1フォーマット)
    • SP用トップページデザイン(1案)
    • SP用下層ページデザイン(1フォーマット)
  • HTML5/CSS3/JavaScript設計費
    • PC版サイト共通設計(ヘッダー、フッター、パーツ類)
    • SP版サイト共通設計(ヘッダー、フッター、パーツ類)
    • トップページコーディング
    • 下層ページコーディング(Aランク)
    • 下層ページコーディング(Bランク)
    • 下層ページコーディング(Cランク)
  • コンテンツ管理システム(CMS)開発費
    • スタンダードライセンス(1段階承認機能なし、5ユーザまで)
    • インストールおよび初期設定
    • システム構築(Aランク)
    • システム構築(Bランク)
    • システム構築(Cランク)
  • 動作確認
    • PCブラウザ表示検証
    • SPブラウザ表示検証

ページ制作やシステム構築については一定の規模以上になるとAランク〜Cランクで分けて提示しています。少ない項目でまとまる場合は項目ごとに作業費用を算出して提示しています。

プロデューサー/ディレクターの人件費は、プロジェクト管理費やディレクション費(要件定義、進行管理)といった項目になります。全体の10〜30%で計算する企業もあれば、人日で計算する企業もあります。例えば、2ヶ月のプロジェクトで、1日1時間のディレクターの稼働が必要な場合は、0.125人日(1時間)×40日で5人日分の稼働になります。そうすると、おそらく、全体の20%くらいになると思います。

値下げ交渉されたら

「1文字修正するだけなのに高すぎないか」とよく言われることがあると思います。「じゃあ他社に相談してください」「ご自分でどうぞ」と突っぱねてもいいんですが、やはり1文字修正するのにも、影響範囲を確認したり、バックアップを取ったり、お客様への事前確認や公開作業など、最低でも1時間くらいの稼働は発生しています。

お客様が外部の制作会社やフリーランスに仕事を頼む理由は、専門性の高い仕事だから任せている、自社で作るよりも良い作品を作りたい、経費を削減したいなどいろいろあると思いますが、突き詰めると自社内に1人雇うよりもコストが低く、色々な人員にアサインできることで多岐に渡る仕事がこなせる点で、コストメリットを感じて発注しているというのが考えられます。依頼することで、なにかあったときのサポートを得られる、事故を起こさず確実に対応してもらえるという点もあります。(安かろう悪かろうであれば仕方ないですが、金額が高くて対応に不備があるのは論外です。)

万一乖離があるようであれば、役割分担やコミュニケーション方法等を協議して、お互いにとって負担のかかっている部分をなくして工数を減らす努力ができると良いでしょう。

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